注目商品:高純度無水塩化マグネシウム(MgCI2)
当社は化学品専門商社として化学系副産物の有効活用を追求してきました。
そこで日本で初めて商品化したのが無水塩化マグネシウムです。
1950年当時は主にヨーロッパ向けの融雪剤が主用途でした。1960年代後半からはアルミ合金、マグネシウム用のフラックス剤として大量に使われ始め、特に再生アルミには欠かせない薬剤となりました。その後、当社では無水塩化マグネシウムの精製、微粒体化技術を確立し高純度無水塩化マグネシウムを商品化しました。この商品によりポリオレフィン系樹脂重合の触媒担体、化学合成の触媒、副原料等の用途や高い吸水性を生かした乾燥剤、発熱剤等の用途が開拓されました。
当社では、現在もさらに、無水塩化マグネシウムの特性を活かせる、新しい用途の開発に努めています。
無水塩化マグネシウムの特徴
塩化マグネシウムは一般に六水和物(MgCI2, 6H2O)を指し、その中にはおよそ50%の水が含まれています。一方、無水塩化マグネシウム(MgCI2)は文字通り、水分を含まないほぼ100%の塩化マグネシウムです。無水塩化マグネシウムの最大の特徴は、その固体粉末(結晶)中に水分を抱き込んでいないことにあります。
- 塩化マグネシウムを使用する際は、水分の存在が障害となる非水系の化学反応触媒、化学合成副原料、ポリオレフィン系樹脂の重合触媒担体などの用途では、もっぱら無水塩化マグネシウムが用いられます。高温の溶融金属と接触するフラックス剤の用途も同様です。
- 無水塩化マグネシウムには非常に高い吸湿性があります。特に吸湿力が大きいこと、単位重量あたり吸湿能力が高いことなどの優れた特性を有しています。また水に溶解する際には大きな溶解熱が発生します。これらの特長を生かした乾燥剤あるいは発熱剤は広く知られています。
- 無水塩化マグネシウムはきわめて高純度であり、塩化マグネシウム水溶液としても精製に手間をかけることなく容易に高純度品を得ることが出来ます。
製品代表値
項目/グレード | 一般用グレード | 触媒用グレード |
---|---|---|
MgCl2(%) | 98 | 99 |
Fe(ppm) | 50 | 10 |
K(ppm) | 300 | 50 |
Na(ppm) | 300 | 80 |
Ca(ppm) | 150 | 30 |
水分(%) | 2.0 | 1.0 |
水不溶解分(%) | 2.0 | 0.5 |
荷姿 | 20kg入紙袋(内装:ポリエチレン袋) | 12kg入石油缶(内装:ポリエチレン袋) |
形状
一般用 | フレーク状・パウダー状 |
---|---|
触媒用 | パウダー状 |
用途
- 医学・ファインケミカルの合成副原料
- 乾燥剤(自動車部品、精密電子機器類等)
- ポリオレフィン系樹脂の重合触媒担体
- 化学合成用触媒(ルイス酸触媒)
- 発熱剤
- アルミ・マグネシウム等の合金精錬用フラックス剤
- 試薬原料
- その他
取り扱い上の注意
- 水及び湿気はさけてください。
- 一度開封した物は出来るだけ早く全量使用することをおすすめします。
応急処置
- 皮膚に付着した場合は出来るだけ早く大量の水で洗い流してください。
- 目に入った場合は、少量でも危険ですので直ちに充分水で洗い流し、こすらないようにして速やかに医師の診断を受けて下さい。